いのちを愛し、さいわいな日々を過ごそうと願う人は、
舌を制して悪を言わず、くちびるを閉じて偽りをかたらず、
悪を避けて善を行い、平和を求めてこれを追え――
あらゆる種類の獣・鳥・這うもの・海の生物は全て人類に制せられ、
また制されてきました。
しかし、舌を完全に制し得る人はひとりもいません。
舌は制しにくい悪であって死の毒に満ちています。
「生と死とは舌に支配される。
これを愛する者は豊かにその実を食べることができる」
相手を賛えるのもこの舌、相手を呪うのもこの舌です。
同じ口から褒め歌と呪いの罵詈雑言とが出てきます。
泉が甘い水と苦い水とを、同じ穴から吹き出すようなものです。
「口と舌とを守る者は、その魂を守って悩みにあうことはない――」
相手を殺し自分をも殺す、相手を生かし自分も生きるのがこの「舌」です。
言葉を口にするとき、よく意味を検索することです。
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