死のトゲは罪です。罪のトゲは欲望。
欲望というトゲのあるムチをうければ、だれでも傷を負うものです。
人の一生は、傷を負い荒野のなかをさまよい歩くようなものです。
希望が失望になり、失望が絶望になり、絶望が「無望」となってしまいます。
無望とは生きている屍の事。
したい事ができず・やりたい事がやれない、死のトゲに刺された人間が、
累々とシカバネを積み重ねていきます。
しかし、絶望のために試みることをやめないように、
無望のために「心」を奪われることのないように――
「目に見える望みは望みではない。なぜなら現在、
見ている事をどうして望む人があろうか。
もし、私たちが見ないことを望むなら、
私たちは忍耐してそれを待ち望むのである」
人の望みは「欲望」です。見える望みを追いかけるから
失望・絶望に陥るのです。
無望になってそこから這い上がることです。
見えない望みが見えるようになるかもしれません。